「パタゴニア(Patagonia)」は中古市場でも常に人気です。
とくにレトロX/ダウンセーター/ベターセーター/バギーズなどは季節・カラー次第で高値がつきます。
一方で巧妙な偽物(コピー品)も混在しているのが現状です。
この記事では、パタゴニアの偽物の見分け方と、安心して買う・高く売るための実務ノウハウを一気にまとめます。

本記事のテーマ
【2025年保存版】中古パタゴニアの偽物を見分ける10ポイント徹底解説&仕入れ販売術
1.中古パタゴニア市場のいま:人気モデルと相場感の考え方
2.偽物の全体像:コピーの「レベル」と共通する違和感
3.本物判定の基本フロー
4.詳細チェック10項目
5.モデル別の注意点
6.高く売るための販売術(メルカリ・ヤフオク・eBay)
7.よくある質問(Q&A)
8.まとめ
1.中古パタゴニア市場のいま:人気モデルと相場感の考え方

◆パタゴニアとは?
パタゴニア(Patagonia)は1973年にアメリカ・カリフォルニアで創業したアウトドアブランドです。
創業者イヴォン・シュイナードは登山家であり、自身の経験から「本当に必要な機能性と環境への配慮」を重視した製品づくりを行ってきました。
現在ではアウトドアウェアだけでなく、ライフスタイルウェアやギアまで幅広く展開し、「環境保護」「フェアトレード」「リサイクル素材」 を積極的に取り入れるエシカルブランドとしても世界的に評価されています。
特に有名なのは以下のアイテムです:
レトロXジャケット:クラシックなフリース素材で高い保温性を誇る定番モデル

ダウンセーター:軽量かつ高性能なダウンジャケット

バギーズショーツ:夏の定番、速乾性のあるショートパンツ

Tシャツ・キャップ類:シンプルなロゴ入りデザインで普段使いにも人気

アウトドア好きだけでなく、ファッションアイテムとしても定着しているため、中古市場でも高い人気と流通量 を誇ります。
定番が最強:フリース(レトロX/クラシックレトロ)、ライトダウン(ダウンセーター)、防水シェル(トorrentshell 3L)、ニットフリース(ベターセーター)、ショーツ(バギーズ)。
相場は“状態×サイズ×カラー×季節”で変動:
- 状態:フリースの毛抜け・つぶれ、ダウンの羽抜けやコールドスポット、シェルの加水分解や剥離は価値を大きく左右。
- サイズ:海外需要のあるM/L/XLは動きやすい。
- カラー:黒・ナチュラル・人気配色は安定。希少カラーはプレミアの可能性。
- 季節性:フリース/ダウンは秋前〜冬、バギーズは春〜夏に伸びやすい。
ヴィンテージ(90s〜00s)はディテール・タグ変遷の知識が価格差に直結します。
2.偽物の全体像:コピーの「レベル」と共通する違和感
レベル1(粗悪):ロゴの滲み・フォント崩れ、縫製ガタガタ、ノーブランドジッパー。
レベル2(準巧妙):見た目は似せるが、タグ情報の整合性が取れない(例:現行のケアラベルなのに古いロゴ/年代と合わない製造国)。
レベル3(巧妙):STYやRNをコピー。素材感・縫製精度・パターン再現度で差が出る。1つの項目で即断せず複数項目の総合判定が重要。
3.本物判定の基本タグの確認
パタゴニアは1973年の創業以来、数年ごとにネック部分のタグを変更してきました。このタグを確認することにより製造年(少なくとも製造年の範囲)を特定できます。
各年代別のタグの特徴を押さえておきましょう。
1:1970年代のヴィンテージパタゴニアのタグ

70年代のタグは一般的に品質が若干低いです。白い布の長方形タグでロゴと山脈のデザインがされており。
ロゴアルファベットのテキストの周りに白いアウトラインがあるのが特徴です。
タグは全て四方を縫い付けされています。
またこれらのタグにはブランド以外の情報は記載されていません。
2:1980年代のヴィンテージパタゴニアのタグ


1980年代にはタグの形状が長くなり、ループタグが導入されました。
パタゴニアのロゴアルファベットと山脈がデザインされています。
フォントは以前のバージョンより少し太くなり、アウトラインがなくなり、代わりに文字が白色になりました。
この時期のタグのいくつかには製造国の情報が含まれていましたが、ほとんどはブランドロゴのみがデザインされていました。
3:1990年代のヴィンテージパタゴニアのタグ




この時期のタグの主な特徴は非常に似ており、背景とフォントの太さと配置が微妙に変化しています。タグを比較するには、これらを注意深く観察してください。
パタゴニアシンチラは1990年代に導入されました。シンチラ(Synchilla) とは、パタゴニアが独自に開発したフリース素材の名称です。
成長するサーファー市場にアピールするために、山の代わりに波を背景にした限定版タグもあります。
タグが完全に縫い付けられるのではなく、タブになったものが登場しました。
4:2000年代のヴィンテージパタゴニアのタグ

この時期はおそらくパタゴニアの近年における最大の変化となっています。
白い背景の古いタグをリメイクし、テキストの周りに白いアウトラインを付けました。
また同時期に一般的な黒のタグも存在し、サイズやお手入れ情報が記載された白いタグが左側に付いていることがあります。
5:2010年代のヴィンテージパタゴニアタグ


タグの多くは完全に縫い付けられており、アイテムの詳細情報が記載された白いタグが付いています。
4.パタゴニアの偽物を見分けるポイント10項目
4-1. ロゴ・ブランドタグ
- 山のシルエットの稜線がシャープ、印刷の滲みやズレがないか確認。
- 文字の太り・細り、“a”“g”の形状、字間に違和感がないか。
- 背面ネームやサイズタグも書体・縫い付けの精度を確認。

*製造時期によって背景や字体が変わります、詳しくは上記の時期ごとのタグの特徴を押さえておきましょう!
4-2. ケアラベル(洗濯表示)と情報整合

- 多言語表記・素材・製造国などの記載が自然か。
- 国内正規流通品は日本語表記・国内拠点情報が入る年代も。
- スペルミスや表記順序の不自然さは要注意。
4-3. RN/CA 番号
正規のパタゴニア製品には、スタイル番号に加えて、RN51884(パタゴニアの登録ID)とPO(注文書)番号が記載されています。
PO番号はスタイルを特定するものではありませんが、パタゴニアは製品追跡とカスタマーサービスに使用しています。
- RN#51884、CA#05553はパタゴニアで一般的。ただし偽物も模倣するため単体では決め手にならない。他項目と“整合性”で判断。
4-4. STY(スタイルナンバー)
パタゴニア製品には、製品に縫い付けられた白いタグに5桁の固有のスタイル番号が印刷されています。

- 製品の内側にあるタグの裏側を見ます。
- STY、STYLE、またはITEMからはじまる5桁の数字を探します。例: ITEM:31445FA12
- 31445が製品番号です。製品番号の後ろのS、SP、F、FAと数字はその製品が販売されたシーズンを表します。例: FA12はFall(秋) 2012 ・ SP12はSpring(春) 2012シーズンに販売された製品であることを意味します。
※ RN:51884は製品番号ではありません。
- 内タグ等に“STY xxxxx” ”STYLE xxxxx” ”ITEM xxxxx “形式が入る。パタゴニア製番号で検索→実在確認。
- 色/シーズンコードまで一致すると信頼度UP。存在しない番号や年代・仕様と矛盾する番号はコピー品の疑い。
4-5. 縫製・パターン


- 縫い目の真っ直ぐさ・ピッチの一定感、曲線部の処理。
- テープ処理・パイピングの均一性。内側も必ず見る。
4-6. ジッパー・スナップ・コードロック

- YKK/IDEAL刻印はよく見られる。刻印のフォントの質や位置の一貫性も確認。
- スナップの刻印の深さ、コードロックの形状精度。
4-7. 素材感(フリース/ダウン/シェル)
フリース:目が詰まってふくらみがある。安物はペラペラ感・毛抜けが早い。

ダウン:高品質ダウン。ブロックのコールドスポットに注意。

シェル:ハンドリング時のシャリ感、コーティングのムラ/べたつき(劣化含む)。

4-8. 製造国の確認
- Made in USAは主に古い年代。現行はアジア製造国が中心。
主にベトナムとスリランカで生産の大部分行われています。 その他の主要な製造国としては、中国、タイ、メキシコ、コロンビア、米国、フィリピンなどが挙げられます。
4-9. 付属書類・保証・レシート
- 購入証明(レシート・納品書)は強い裏付け。
- Worn Wear等の再生流通の記載があれば真贋面でプラス材料。
4-10. 価格・出品者情報
- 相場より極端に安い、写真が少ない/粗い/タグが見えない、評価が少ないは警戒。
- 質問への回答の誠実さも判断材料。
5.モデル別の注意点
5-1. レトロX(Retro-X)

- もこもこ感だけでなく、毛足の密度・光の反射が自然か。
- 胸ポケットの形状・縁取り(パイピング)、裏地の防風メッシュの質感。
- 希少カラーは偽物も多い→タグと縫製で二重チェック。
5-2. ダウンセーター(Down Sweater)

- キルトパターンの等間隔、角の処理、裾・袖口の伸び戻り。
- 膨らみの均一性が不自然(部分的に薄い)なら要注意。
- 表地の質感が安物っぽく光りすぎていないか。
5-3. Torrentshell(3L含む)

- 止水ジッパーの精度、フードのパターン、シームテープの均一。
- 加水分解や裏面剥離は偽物というより劣化が価値を下げる要因。購入前に写真で確認。
5-4. ベターセーター(Better Sweater)

- 表面の編み目(ニット調)の均一、パイピング処理、内側の起毛感。
- 粗悪コピーは編みの目が荒い/色の深みがない。
5-5. バギーズ(Baggies)

- メッシュライナーの質感・縫製、ウエストゴムの縫い付け、ドローコード先端処理。
- 旧タグ×現行カラーなど年代不整合がないか注意。
6.高く売るための販売術(メルカリ・ヤフオク・eBay)
出品時の“信頼”を作る写真
- 正面/背面/サイド/ディテール(ロゴ・タグ・ジッパー刻印・縫製)
- ダメージ部位のクローズアップ(フリースの潰れ、毛玉、汚れ、ほつれ等)
- 暗所・広角歪みは避け、自然光 or 均一照明で撮る。
説明文に入れるべき情報
- モデル名/サイズ(表記&実寸)/カラー/素材/製造国/STY/購入時期・入手経路
- コンディションをS〜D等の基準で明示+欠点は先に伝える。
- 真贋に関する根拠(タグ・STY・特徴)を簡潔に記載。
タイトル&キーワード設計(例)
- 「Patagonia レトロX メンズ M ナチュラル|正規品 STY**** 美品」
- 「Patagonia Down Sweater 黒 M 正規 RN51884 付属品あり」
→ ブランド名+モデル名+サイズ+色+状態+真贋根拠を詰め込む。
価格戦略
- まず販売済み相場を確認(メルカリ:売り切れ絞り込み/ヤフオク:落札相場/eBay:Sold)。
- 希少色・良状態はやや強気→反応が鈍ければ段階的に調整。
- 季節前倒し出品で需要先取り。
商品ページの作り
- 実寸表(肩幅/身幅/着丈/袖丈)を掲載。海外販売(eBay)ではインチ併記が親切。
- 即購入歓迎/値下げ可否/喫煙・ペット環境など、トラブル回避の定型文を用意。
- 返品ポリシー:偽物だった場合の返金について明確化(自信があるなら“真贋保証”を記載)。
eBay攻略メモ
- Item Specifics(ブランド、モデル、サイズ、素材、カラー、ビンテージか否か等)をフル入力。
- 国際配送は軽量アウターなら追跡付き(例:国際eパケット相当)を基本。
- 写真は背景をシンプルに、タグ群のズームを必ず1枚入れる。
7.よくある質問(Q&A)
Q1. RNやCAがあれば本物確定?
A. いいえ。偽物も記載されている物があります。STY・縫製・素材・ジッパー刻印・年代整合まで見て総合判定してください。
Q2. “Made in USA”は今もある?
A. 古い年代では存在します。現行でUSA表記は稀なので、年代・タグ変遷と矛盾しないか要確認がひつようです。
Q3. レトロXは写真だけで判別できる?
A. 可能な場合もありますが、裏地メッシュ・胸ポケット・パイピング・タグが見えないと誤判定リスクが高いです。
Q4. ダウンの本物確認ポイントは?
A. 膨らみの均一性、縫製ラインの乱れの少なさ。安価コピーは部分的に薄いことが多いです。
Q5. 万一偽物を買ってしまったら?
A. 受取評価前に出品者とやり取り、プラットフォームの補償制度を確認しましょう。証拠写真(タグ・縫製)を保存しましょう。
8.まとめ
パタゴニアの中古アイテムは人気が高い一方で、偽物が数多く出回っているため注意が必要です。今回ご紹介したように、ブランドタグ・縫製・ジッパー・素材・品番・価格 といった複数のチェックポイントを押さえておけば、偽物を見抜く精度はぐっと高まります。
また、安心して購入したい場合は 正規取扱店や信頼できる中古ショップ を利用するのがベストです。フリマアプリを使う場合は、出品者の評価や写真、品番情報を必ず確認しましょう。
販売する立場であれば、偽物と疑われないように STY番号や製造国、素材情報を明記 し、正しい知識を持って出品することが信頼獲得につながります。とくにレトロXやダウンセーターなどの人気モデルは、国内外で需要が高く高値で売れる可能性があります。
中古パタゴニアを賢く選び、安心して売買を楽しむために、ぜひ本記事を参考にしてください。
→中古ブランド品物販で成功するには?真贋スキルを徹底解説するマニュアル登場!
コピー品に関する注意喚起・法令情報が載っている公的機関のサイト
コピー品や偽物ブランドに関する情報を正しく知るためには、信頼できる公的機関の情報をチェックすることがとても重要です。
下記、初心者の方でもわかりやすく学べる公的機関のサイトをご紹介します。
🔹1. 財務省・税関「模倣品の輸入は違法です!」
▶ サイトURL:
https://www.customs.go.jp/mizugiwa/fake/index.htm
▶ ポイント:
- コピー品(模倣品)を海外から輸入することはたとえ個人利用目的でも原則NG
- 税関での取締の対象となり、没収・破棄・罰則の可能性も
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💡 初心者におすすめ!「偽物を買ってもバレない」と思っている人ほど、必見の内容です。
🔹2. 消費者庁「悪質な通販サイトにご注意ください」
▶ サイトURL:
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/internet_01/
▶ ポイント:
- 偽物商品を販売する「偽ショッピングサイト」についての注意喚起
- ブランド名を騙った通販サイトや、不自然に安すぎる価格設定などの特徴
- 実際の被害例や相談窓口の案内もあり、万が一のトラブル時に参考になります
💡 通販でのブランド品購入に不安がある方は、このページでサイトの見分け方を学ぶのがおすすめです。
🔹3. 特許庁「模倣品対策」特設ページ
▶ サイトURL:
https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/mohouhin/index.html
▶ ポイント:
- 商標権・意匠権などの知的財産権に関する啓発ページ
- 偽物製造や販売の取り締まり、企業と連携した模倣品排除の取り組みを紹介
- 知的財産を守る重要性についても学べます
💡 「なぜコピー品が違法なのか?」を法律的な側面から学びたい方に最適です。
🔹4. 消費生活センター・国民生活センター
▶ サイトURL:
https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/copy_brand.html
▶ ポイント:
- 偽物ブランド品に関する消費者からの相談事例を多数掲載
- コピー品を買ってしまった後の対処方法や相談窓口の紹介
- 被害に遭ったときにどこに相談すればいいかがわかる実用的な情報源
💡 コピー品に関する「困った!」「どうしよう!」というときは、ここをチェックすれば安心です。
🔹5. 警察庁・知的財産権侵害の取締り
▶ サイトURL:
https://www.npa.go.jp/bureau/security/chiteki/index.html
▶ ポイント:
- ブランド偽物に関する刑事事件の摘発事例も紹介
- 商標権・著作権・意匠権などの刑事罰の適用対象についても明記
- コピー品販売はもちろん、悪質な輸入や所持でも摘発対象となるケースを紹介
💡 法的リスクについて具体的に学びたい人には有益な情報が得られます。
🔚まとめ:信頼できる情報源から知識を得よう
ブランドコピー品に手を出してしまう背景には、「知らなかった」「安いからいいと思った」という気持ちがあるかもしれません。
しかし、知らなかったでは済まされない時代になってきています。
正しい知識を得るためには、SNSや個人ブログではなく、公的機関の公式情報を確認する習慣をつけることが大切です。
ぜひ今回ご紹介したリンクをブックマークし、必要なときにいつでも確認できるようにしておきましょう。